横幹連合学会(2005)の論文データの可視化:KeyGraphとTsuruTool

KeyGraphとTsuruToolは、比較するなり頭の中で重ねるなりして使います。 同じ条件の両者の解析結果を組み合わせた図を見る

最初に、大澤らがチャンス発見という内容でヒューマンネットワークを可視化したのは2000年だった と思います。当時の学生だった臼井さんが最初に研究室を訪れたときに、その場でBBSをダウンロード してやって見せたのが最初で、研究を進めてから2002年にWWW02(ハワイ)で発表したのでした。

が、こういうのは、ただ眺めて面白いというのが一番普通の入り方でしょう。以下は、 横幹連合(Nov 2005, 長野)の論文データから、同一論文における

  • 著者の共起(共著者)
  • 共著者の所属する学会の共起
  • タイトルにおける単語の共起
  • アブストラクトにおける単語の共起
  • を可視化したものです。つるツールというのは、大澤研究室の東大での最初の学生のひとりで、 卒論生である鶴岡君が、大澤が今年発刊予定の「チャンス発見の基礎理論」の草稿に書いた ポテンシャルモデルの考えを読んで作ってしまったものです。いまどきの若いもんは、本当に優秀です。


    両者の比較、ご感想を、是非 大澤 までお寄せ下さい。なお、両者を独立に解釈いただくため、少しパラメータを変えて微妙に違う構造を 出しています。なお、つるツールの結果は問題点の改善とともに更新します。


    CLICK TO ENLARGE FIGURES
    元データ(Target Dataset) キーグラフ(KeyGraph) つるツール(TsuruTool)
    著者 (Authors) After you stare at the figures in the left for five minutes, see the combination of network and the potential field

    学会 (Societies) After you stare at the figures in the left for five minutes...

    タイトル(Words in titles) After you stare five minutes...
    概要(Words in abstracts) After five minute...


    つるツールが基にしているポテンシャルモデルとは、人間関係を従来の(といってもこの数年の流行ですが) ネットワークモデルで表現する方法を疑問視する実ユーザの声を反映して、大澤が考案したモデルです。

    すなわち、人間が近くに寄る理由というのは、その相手に魅力や関連性を求めるようなネットワーク型の 理由だけではなく、「あ、ここはなかなか面白そうだ」という「場」への共感ということが非常に多いことが はっきりして来たので、両者を可視化する必要が生まれたというわけです。

    火事場に人が集まるのは、そこにいる人々との交流を求めるわけではなく、その火事を近くで見ようとするから です。そのような場の魅力を、ポテンシャルモデルでは山(ひっくり返して谷の深さで表すのが、ポテンシャ ルの原義からは正確)の高さで表します。

    もっとも、火事場で恋が芽生えることもあるかも知れません。だから、 ポテンシャルモデルとネットワークモデル(KeyGraphなど)を合成することも実用的な意味があるわけです。

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