チャンス発見 15周年記念シンポジウム
Chance Discovery ~ 15th Anniversary Symposium ~
今回の「チャンス発見15周年記念シンポジウム」はたくさんの参加者が集まり,盛況のうちに終了致しました.
発表者ならび参加者の皆様の多大なるご厚情に深く感謝を致します.
尚,今回の発表者が使用した発表資料は,下記の「開催内容」よりダウンロードすることが出来ます.

▼開催概要

前身の予兆発見から数えると、15年が経ちました。その間に、データに基づいたレア事象の利活用やネットワーク型可視化モデル、ビッグデータ等、様々な流行が生まれてきました。しかしながら、地道にチャンス発見技法を実践してきた私たちは、これらのコンセプトを人間の状況認知から行動に至るプロセス- その途上ではシガラミや停滞などが様々に混入します - と結合し、チャンスの発見と実行動に結びつけてきたリーディングランナーであり続けています。ここでは、チャンス発見学に携わった様々な研究者が、多様な世の中の動きの末に現在、何を考え、どのような 仕事に結びつけているかについて話し合います。
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▼開催内容
チャンス発見15周年記念シンポジウム 8月1日 (1日目) 13:00〜 :
- 鎌田真由美(日本マイクロソフト)
開会宣言, 13:00 ~ 13:15 :
- 冒頭講演「チャンス発見からデータ市場へ」大澤幸生(東京大学) PDF
Program Ⅰ,13:15 ~ 13:30 :
- ショートプレゼン集「いま、脈々とチャンス発見 〜 原点からの動線 〜」
- チャンス発見学において研究成果を発信してきた研究者らが、製造、マーケティング、経営 、教育、そして研究に渡る各業界で、どのような成果に結びついているかを語ります。気づきにくい 繋がりを公開します。
- ・「設計というアクティビティとチャンス発見」久代 紀之(九州工業大学) PDF
(概要)ユーザが求めるシステムを設計したいというのは、技術者なら誰でも持つ心情であろう。しかし、実際、ユーザが求めるシステムの実現することは難しい。体系的に話せるかどうかはちょっとおいて(おい!)、とにかく大小さまざまな実際のシステム開発において七転八倒した経験をもとに、チャンス発見のコンセプトを用いたいくつかの取り組みについて話したい。
・「キーグラフでのチャンス発見からコンサルコミュニケーションへ」臼井 優樹(ユザックビジネスサポート) PDF
(概要)多くの関係者を巻き込んで成果を出していくビジネスの遂行プロセスに、チャンス発見の考え方とその実践は効果的である。ビジョンを共有し、組織メンバー個々が主体的、自発的な行動を起こす仕掛けについて、グループコーチングの視点も交えながら紹介する。
・「KeyGraph(R)でのチャンス発見からマルチデータサービスプロバイダーへ」福田 寿(伊藤忠テクノソリューションズ) PDF
(概要)現在のIT業界では、大量データを収集するアグリゲーターやそれらのデータを提供するプロバイダーとしてのビジネスが生まれてきている。現在のビジネス領域の中で、チャンス発見プロセスの実現そのものの取り組みについて紹介する。 - ・「チャンス発見と顧客発見」田口 仁(アサツーディ・ケイ) PDF
(概要)広告メッセージを届ける対象を決めることは、企業の広告宣伝活動における重要なプロセスである。 時として、想定しなかったタイプの人物が、その企業にとって大事な顧客となる場合もある。 チャンス発見の考え方を応用した、顧客発見のプロセスの事例について紹介する。
・「人間中心の製品開発と心理学、そしてチャンス発見」小俣 貴宣(キヤノン) PDF
(概要)人にとって使いやすく魅力的な人間中心の製品開発を考える上で、心理学、そしてチャンス発見の知識や方法論はとても役に立ちます。 例えば、上流工程におけるユーザー要求やインサイトの獲得、有効な設計解の創出、プロトタイプやコンセプトの評価など、製品開発プロセスの 様々な場面において、心理学とチャンス発見は有益な観点を提供します。本発表では人間中心の製品開発におけるこれらの知識の適用についてお話しします。
・「チャンス到る処青山あり」阿部 明典(千葉大学) PDF
(概要)本日は、これまで、チャンス発見の文脈で研究してきた内容を一覧します。 最初に、チャンス発見の仮説推論(abduction)による定式化、そして、 チャンス発見の文脈でのリスク発見、curation の概念の導入による情報 の提示などの研究に関して講演します。
- 研究の現状:学生代表から
- ・「チャンス発見とバングラデシュから学ぶシナリオ・デザイン」早矢仕 晃章(東京大学) PDF
(概要)チャンス発見のコンセプトを応用した、自身のシナリオ創出研究について概説する。そして、自身がボーイスカウトとしてバングラデシュで活動してきた経験から、現在の研究の着想に至った経緯を紹介し、途上国におけるデータに基づくシナリオ創出と意思決定について知見を述べる。 - 研究の現状:学生代表から
Program Ⅱ,13:30 ~ 17:30 :
各ショートプレゼン30分(講演20分+議論10分)
(10分間休憩)
イノベーションワークショップ 8月2日 (2日目) 9:00〜 :
- 冒頭講演「チャンス発見から仕掛学へ」松村真宏(大阪大学) PDF
・仕掛デザイン・ワークショップ ~ ぶつからない仕掛けを創る ~ - (概要)人の行動をうまく変えてくれる「仕掛け」を作ってみるワークショップです - 最初にチャンス発見学を立ち上げたころから ---もとい、大阪大学で大澤が助手のときの グループに卒論生として所属して以来、つまり20世紀からのパートナーである松村真宏准教授(大阪大学)をチーフプロデューサーとするコラボです。今回は、「ぶつからない仕掛けづくり」をテーマにやってみます。手狭な日本、そして更にオリンピック開催と、様々な「ぶつかり」が増えてゆく中で、心地良い社会づくりを考えましょう。
Program Ⅲ,9:00 ~ 12:00 :
- 招待講演 : "Designing Communication as Peace Technologies *"Mark Nelson(スタンフォード大学 Peace Innovation Labo) PDF
- (abstract)Approx 45 min presentation
Recent advances make it possible to build technologies that consistently elicit positive social behaviors between people. We can now target this technology to any specific prosocial behavior, between any two individuals, groups, or even species. Moreover, we can now very rapidly design, validate, fail-test, deploy, optimize, and scale these technologies, in a systematic, research-based manner. What is of particular interest is that these technologies inherently generate and distribute new value and new wealth. There are companies already generating millions of euros of annual new revenues for the cities they serve, while creating new jobs and shareholder wealth, and generating nice profits in the process. In this talk we will first examine the implicit and traditional "Actor" theory of conflict, and contrast it with an alternative "Action" theory of conflict whose focus is to defend all of us, from violence itself. We will then take a quick tour of the Peace Technology design framework, the methods, and the process. We will conclude with some actual examples "from the wild" of companies, NGOs, and movements deploying these technologies, and the impact they are having.
Program Ⅳ,13:00 ~ 14:00:
- シナリオのロジカルプランニング
- (概要)上のProgram Ⅳで生まれた仕掛けのアイデアを実現してゆくシナリオのプランニングを、現在の博士学生(早矢仕晃章)のプロデュースで実施します。
Program Ⅴ,14:00 ~ 17:00:
▼講演者略歴
以下、50音順。
阿部 明典(あべ あきのり)
1986年東京大学工学部電子工学科卒業。1991年同大学院
工学系研究科電子工学専攻博士課程修了。工学博士。
同年、NTT 入社、NTT コミュニケーション科学基礎研究所、 NTT MSC (マレーシア)、ATR 知識科学研究所等を経て、 現職の、千葉大学 文学部 行動科学科教授(王子様)に至る。
Abduction などの人工知能の研究を行なっており、最近では、 ことば工学、Chance Discoveryに焦点をおいて研究している。
臼井 優樹(うすい ゆうき)
大学卒業後、大手繊維メーカーにて新規事業推進、マーケティングを担当。仕事と並行し筑波大学大学院に入学、チャンス発見と出会い衝撃を受ける。2003年筑波大学大学院ビジネス科学研究科卒業(経営学修士)。チャンス発見の応用の場を広げるべくコーチングを本格的に学び、社内コーチを経て独立。チャンス発見、脳適正分析を活用したマネージャー研修、コーチングを展開。現在は、対話力を活かしたテレマーケティング会社の他、進学塾も運営中。
小俣 貴宣(おまた たかのぶ)
2002年 東京工業大学大学院を修了後、キヤノン株式会社に入社。デザイン部門において、専門である認知・行動科学の立場から、使いやすく魅力的なデザインの開発・研究に従事。会社勤務と並行し、2008年 東京大学大学院(社会人博士)に進学。2010 年よりカリフォルニア大学ロサンゼルス校心理学部にて客員研究員。帰国後、2013年に博士号を取得。人間中心設計推進機構評議委員。
鎌田 真由美(板倉 真由美) かまた まゆみ (いたくら まゆみ)
横浜国立大学教育学部卒業後、日本アイ・ビー・エム(株)入社
社内SE, お客様担当SEを経験後、SI部門にて技術リーダーやプロジェクトリーダー担当後、 マネージャーとして、SIチームへの技術指導などを実施。
2006年 IBMリサーチ東京に異動し、2008年から約1年間米国IBMリサーチにて技術戦略策定にコアメンバーとして従事。 帰国後サービスリサーチのマネージャーとなる。 2013年2月より日本マイクロソフトにてテクニカルエバンジェリストのマネージャー(現職)
教育学士(横浜国立大学)、システムマネジメント修士(筑波大学)、学術博士(東京大学)
久代 紀之(くしろ のりゆき)
電機メーカの研究部門に所属し、人の居住環境を制御するシステムの開発に永年従事。残念ながらヒット製品を世の中に出すということには、なかなか恵まれず、打開策を求めチャンス発見の門を叩く。とかく可視化やアルゴリズム等のテクニカルな方法に重点をおく一般的なデータマイニングと異なり、人とデータを視野に入れ、相互のインタラクションと人の認知的な気づきの側面を重視したチャンス発見手法に触発され、このコンセプトをシステム設計の要求獲得・分析へ適用することを大澤先生のご指導のもと研究した。現在は、九州工業大学情報工学部にて、主にサイバーフィジカルシステムを対象とする設計と評価方法に関し研究。セカンドライフのつもりで悠々の研究生活を期待していたが、大学とは、とても忙しいところでびっくりするやら、不惑の年はとっくに越えたが、とにかくいろいろと惑い続ける。
田口 仁(たぐち まさし)
株式会社アサツーディ・ケイ
早矢仕 晃章(はやし てるあき)
2012年東京大学工学部システム創成学科卒業。2014年同大学院工学系研究科システム創成学専攻修了。現在、同大学院博士課程1年。
チャンス発見のコンセプトに基づき、人間の意思決定を支援するシナリオに関する研究とツール開発を行う。課外活動として、6年に渡りボーイスカウトでバングラデシュの国際協力プロジェクトに携わる。
福田 寿(ふくだ ひさし)
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 科学システム事業部エネルギービジネス推進部部長
理学修士(九州大学)、経営学修士(筑波大学)。
九州大学大学院理学研究科物理学専攻修了後、自動車会社での勤務を経て、1995年に伊藤忠テクノソリューションズ株式会社入社し、2010年より現職。
ビジネス領域は気象に始まり、風力発電・太陽光発電・スマートグリッド・スマートコミュニティ・電力自由化へと発展。
対外活動としては、石川県次世代産業創造会議 専門委員会委員や海洋エネルギー資源利用推進機構理事・執行役員(事業・企画担当)・ビジネス協議会代表幹事としても活動中。
松村 真宏 (まつむら なおひろ)
1975年大阪生まれ。大阪大学大学院経済学研究科准教授。博士(工学)。
工学系出身で経営学系に在籍しながらデータ分析や仕掛学系の研究をしています。昔はデータに基づく社会現象の分析と理解と予測に興味がありましたが、今は人の意識や行動を変える仕掛けのデザインと実装と検証に関心が移りつつあります。
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同年、NTT 入社、NTT コミュニケーション科学基礎研究所、 NTT MSC (マレーシア)、ATR 知識科学研究所等を経て、 現職の、千葉大学 文学部 行動科学科教授(王子様)に至る。
Abduction などの人工知能の研究を行なっており、最近では、 ことば工学、Chance Discoveryに焦点をおいて研究している。
社内SE, お客様担当SEを経験後、SI部門にて技術リーダーやプロジェクトリーダー担当後、 マネージャーとして、SIチームへの技術指導などを実施。
2006年 IBMリサーチ東京に異動し、2008年から約1年間米国IBMリサーチにて技術戦略策定にコアメンバーとして従事。 帰国後サービスリサーチのマネージャーとなる。 2013年2月より日本マイクロソフトにてテクニカルエバンジェリストのマネージャー(現職)
教育学士(横浜国立大学)、システムマネジメント修士(筑波大学)、学術博士(東京大学)
チャンス発見のコンセプトに基づき、人間の意思決定を支援するシナリオに関する研究とツール開発を行う。課外活動として、6年に渡りボーイスカウトでバングラデシュの国際協力プロジェクトに携わる。
理学修士(九州大学)、経営学修士(筑波大学)。
九州大学大学院理学研究科物理学専攻修了後、自動車会社での勤務を経て、1995年に伊藤忠テクノソリューションズ株式会社入社し、2010年より現職。
ビジネス領域は気象に始まり、風力発電・太陽光発電・スマートグリッド・スマートコミュニティ・電力自由化へと発展。
対外活動としては、石川県次世代産業創造会議 専門委員会委員や海洋エネルギー資源利用推進機構理事・執行役員(事業・企画担当)・ビジネス協議会代表幹事としても活動中。
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