「データサイエンティスト」とは一体何者なのでしょうか。
金融市場、Webデータ、マーケティング、医療、製造管理、流通、犯罪予測・・・様々な領域で活躍するとされながら、定義があいまいな存在。
それが、同様に意味のあいまいな「ビッグデータ」の落とし子としての「データサイエンティスト」です。
このワークショップは、データサイエンティスト養成講座ではありません。
これは、データサイエンティストの「実(じつ)」について考えるワークショップです。
このワークショップは、次の仮説から始まりました。
・データから知識を導き出すモチベーションを知る人は、データサイエンティストにも育成者にもふさわしいのではないか。
・ならばその人を、産学を挙げて探し出し、育成しようではないか。
・そのようなモチベーションを持たない人も、持てるような環境を作ろうではないか。
この仮説は、私たちが産学連携のみならず、産学の連動プロジェクトの経験から得たものです。
データサイエンティストは、既存の統計技術で与えられたデータを分析するだけの人ではありません。有益な知識への渇望に動かされてデータを集め、注目する社会や自然の現象をよく観察し、それを科学的に表現する人。すなわち「モデル」を創造する人です。そしてこのモデルに立脚して、発見したいことのイメージに適合する分析やシミュレーションの技術を選び出す人、あるいは自ら分析技術を開発する人です。そのような能力を備えることによって潜在的な知識を掘り起こし、検証し、 現場に還元してゆく人です。
真の「データサイエンティスト」は、データサイエンティストと呼ばれる以前から、科学の世界でもビジネス界でも、活躍し続けてきました。真のデータサイエンティストは、金融や購買履歴、ソーシャルメディアに蓄積されるコミュニケーションデータ、医療に関わるデータを用い、モデル創造と発見のプロセスから有益な知識を掘り起こし、社会に役立ててきました。決してビッグデータ時代と言われるこの最近のことではないのです。
本ワークショップでは、産学の架橋となって実社会に溢れる情報に取り組み実社会に還元しつつある研究者の方々に「データから使える知を掘り起こすためのモチベーション」について講演いただきます。金融市場・ソーシャルメディア・ 感染症パンデミックという異なるターゲットら独自のモデルを生成し、データ分析方法を生み出してきた研究者、つまり、「本当のデータサイエンティスト」に近い人々をお招きし、その講演をベースに次のひとつの問題を考えます。
「モデルを創造する着想は、どこから生まれるか?」
本ワークショップには、全くデータなど見たこともない学生(大学1年~大学院生)も、データからビジネスチャンス発見を狙う社会人も、科学的発見を実現したい研究者など垣根を越えて集まってほしいと考えています。
答えを発見するのは講演者ではなく、聴講するだけのつもりで訪れたあなたかも知れません。
2015年7月7日(火) 18:00〜21:00
※17:00から、登壇教員の研究室見学も実施します.
司会:大澤幸生(工学部システム創成学科教授・学科長) (HP)
鳥海 不二夫(システム創成学科・准教授) (HP)
和泉 潔(システム創成学科・准教授) (HP)
前野 義晴(Social Design Group代表) (HP)
開催:2015年7月7日(火) 18:00〜21:00
場所: 東京大学本郷キャンパス・工学部3号館3階33号講義室
大澤研究室
Email: (Ohsawa and Secretary: info -at- panda.sys.t.u-tokyo.ac.jp)
上記-at-を@とし、お名前(任意)、ご所属(任意)、参加動機をお送りください。