システム創成学学術講演会 ワークショップ 1

システム創成のためのリスク発見テクノロジー

日時: 2008年12月16日(火) 13:00 - 15:30
場所: 東京大学工学部(本郷キャンパス)8号館81号講義室

大規模複雑システムに潜むリスク要因を発見するための方法論を、モデルからのリスク発見、生命規範からのリスク発見、経験からのリスク発見、シナリオ共創によるリスク発見の4つのアプローチにより展開します。

司会:古田一雄(東京大学・工・システム創成学専攻教授)


システム創成学学術講演会HPへ                         
12月16日(火) B会場(工学部8号館81号室)
受付: B会場前(前日に受付された方は不要です)
13:00〜15:30
WS1-1 橋本康弘 時系列ネットワークの可視化から人間行動のモデリングへ全文PDF
近年、電子メールや電子掲示板、ブログ、オンラインアーカイブ、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)といったオンラインコミュニケーション手段 の目覚ましい発展と普及に伴い、人間の社会的活動が次々とデータ化され蓄積されてきている。そしてこれら膨大なデータの山から人間の隠れた行動パターンを 発見することが情報社会におけるイノベーション創出、あるいは潜在リスク発見の鍵となると期待されている。我々は電子掲示板やSNS等におけるコミュニ ケーションのイベントログからソーシャルネットワークの時系列を構築し、コミュニティの生成や消滅といったソーシャルネットワークが持つダイナミックな構 造をコミュニティ遍歴ダイアグラムとして可視化する手法について提案する。そしてコミュニケーションデータの分析から人間行動をモデル化するための新しい アプローチについて議論する。
WS1-2 高野悠哉、吉村 忍、文屋信太郎 知的マルチエージェント交通流シミュレータへの視覚認知モデルの実装と交通事故の表現(全文PDF
交通円滑化や事故の低減などを目的として、ITS技術の開発が進められている。実験的な手法でITS技術の効果を定量的に評価することは難しく、著者ら は、知的マルチエージェント交通シミュレータ上でのITS評価を目指している。そのための第一ステップとして、ドライバーの視覚認知モデルを組み込み、交 通事故状況の再現を試みている。その取り組みについて紹介する。   
WS1-3 大橋弘忠 人工胚発生モデルによるロバストな形態形成全文PDF
Artificial Embryogeny(AE)は発生過程を考慮する新しい進化アルゴリズムである。これを用いたモデルにより2次元トラス構造の形態形成の研究を行った。 まずAEに基づき形態を発生できるアルゴリズムを開発した。これにより生成したトラス構造の応力解析を行い、最大応力を低く抑えるような構造が外力条件に よりどのような形態となるかを調べた。これにより外部条件の不確かさに対応できる構造の形態的特徴について議論した。
WS1-4 淺田義和、古田一雄、菅野太郎 医療事故における事故原因および発生メカニズムの診断システムの設計全文PDF
重大事故の発生原因を細かく調査すると、その背景にはインシデントやヒヤリハット 事象が根底にあることが多々ある。医療分野においてはその学問的な複雑さに加えて、病院内の医療システム、医師や技師、看護士と患者間での意思疎通など、 インシデントにつながりうる様々な因子が存在している。これらの因子同士の組み合わせや因果関係を整理し、事故の発生メカニズムを理解することは、重大事 故の防止にとって有用である。本論文では、医療事故における現状を整理した後、インシデント情報から事故原因および発生メカニズムを診断するシステム設計 について述べる。また、診断システムに使用する医療インシデントオントロジーの具体例を提示する。
WS1-5 山口広樹、大澤幸生 患者に学ぶリスク発見全文PDF
数人の患者による座談会を解析対象として,医療に潜むリスクを発見する.ここではテキスト処理技術を利用して,あまり注目されてはいないが潜在的リスクについて言及しているような発言を抽出することにより,そこからリスクを発見していく手法を紹介する.


システム創成学学術講演会HPへ