研究内容

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創造的データ市場とデータ連成イノベーション

誰がどんなデータを持っているか? 誰が何を求めているか?

を示し、互いに満たしあう知と価値の連成の場です。データ取引に定価はつけられません。取引価格は、データを用いてデザインされる物やサービスの価値から逆算して得られる副産物にすぎないので、大澤研究室ではデータを用いた創造物の価値に焦点をあてます。また、データは流れてゆくものではなく、取引相手の信頼性やデータの利活用方法を認識した上で価値交換の形でのみ提供されるべきものです。このような連成の場を生み出すイノベーションの場を構築することにより、大澤研究室では人々が必要としながら存在しなかったデータを設計し構築し、中身を公開できないデータまで合意の上で「共有」し、社会的要求にフォーカスを絞ってデータ分析する手法(対象世界のモデルとデータ解析・可視化アルゴリズム)、その結果に基づくビジネスシナリオ策定ツールとして必要な潜在データの検索技術も実現し、さらに新しいアルゴリズムの開発を進めています。実業界における非常に多くの企業とチームを作り、金融、POS、Webテキストや社内評価書、地震からスポーツデータまで幅広く対象とし、データからのチャンス発見→イノベーションに繋げています。

市場変化の説明

一本の「糸」だけで市場全体と一銘柄の変化を同時に説明し、上下動の予兆を捉えます。

実践的データ市場Innovators' Marketplace on Data Jackets

Innovators' Marketplace on Data Jackets - on online version: データに対するニーズとシーズを繋ぐ、世界に先駆けたゲーム型の価値交換プラットフォームです。

Innovators Marketplace on Data Jackets(IMDJ)とは、データ市場におけるデータ利活用を支援するワークショップ型手法です。大澤研究室では世の中に存在する共有可能・不可能を問わず様々な形式のデータをデータジャケット(データの概要情報)化することにより、誰が・どこに・どんなデータを持っているのか知ることができる技術を研究/開発しています。データ市場に関わる様々なステークホルダー(データ保有者、利用者、分析者など)が参加し、データを用いた課題解決の検討を通して、データの価値発見と交換・売買が促進されます。

IMDJ及びアクション・プランニングが経済産業省及び国土交通省のプロジェクトで導入されました。

Stay with Your Community

社会シミュレーション:大澤論文 “Stay with Your Community”が新型コロナ対策政策に直結しました。たとえば私たちが動くと発生する人データは、データが蓄積してから利用目的を考えて使われます。コロナの感染拡大予測などにも用いられますが、本当は人流というよりも動静によらず人の分布、特に「知らない人との接触」が本質的な情報であることをStay with Communityという原理を発見して証明しました。

変化説明技術の応用

震央分布の構造変化の説明によって予兆を捉えるRESI指標を開発しました(2022.3現在は東南海の予兆のみあり大地震が未発生)。

データエコシステムの構造分析

データスケープ分析(Datascape Analysis)手法を開発し、異分野のデータが流通し、価値を生み出すデータ流通エコシステムにおける異種のデータの相互作用の一部を解明しました。その結果、異種のデータは人間関係のネットワークに似た構造(局所的・密、大域的・疎)であり、変数のべき分布性、共有条件による結合傾向から、データの規模を問わず同様のメカニズムの存在が示唆されました。

変数クエスト(Variable Quest: VQ)

多様なデータの含む変数のネットワーク:データ設計のツールVariable Questとして開発したが、データエコシステムの俯瞰図とも機能します。

データエコシステムのバリューチェーン分析

ヒューマンファクタを取り込んだエコシステム理解と分野間データ連携支援のためのデータバリューチェーン記法を開発し、実際のデータ市場ビジネス事業者の関係の構造を解析しました。関係性に階層構造が出現したことから、エコシステム内で異なる機能を持つステークホルダー群による棲み分けの存在が示唆されています。

データ利活用方法検討とシナリオ生成支援手法の開発

アクション・プランニングは、IMDJで創出されたデータ利活用案をシナリオとして精緻にするプロセスです。データや分析ツールの組み合わせを考えるだけでは、既存の仕組みを変えるようなアイデアは実現できません。ビジネス化するために必要なリソースや関係者などのステークホルダーの検討が不可欠です。アクション・プランニングでは、論理に基づいたデータ分析シナリオ及び戦略的シナリオの生成手法を研究/開発しています。

データ利活用検討プロセスの解析

Innovators Marketplace on Data Jackets(IMDJ)は、データ利活用案を検討する点で優れた手法ですが、従来の紙ベースでの議論では対面で行うため議論は比較的盛り上がる一方で、様々なステークホルダーを一か所に集めて議論するのは地理的コストが大きく、また、IMDJを行う前準備の負担も大きいという問題がありました。

そこで、Web上でいつでもどこでもIMDJを行えるプラットフォームを開発し、参加者のデータ利活用検討プロセスを従来のIMDJと比較・評価しました。

データ利活用知識構造化と再利用による検索システム

あなたはデータを検索する時に、どのよう検索するでしょうか?

世の中にどのようなデータが存在し、どこにあるのか知る方法は意外と多くありません。Web上に存在するデータであれば自然言語による検索が可能かもしれませんが、欲しいデータを的確に検索し入手することは難しいでしょう。

Data Jacket Store(DJストア)はIMDJで過去に検討された要求及びデータ利活用案(ソリューション)をデータ利活用知識として構造化することで、「要求」のような曖昧な検索ワードからでもデータについての情報を検索できるシステムです。

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