研究内容

文献等リスト:整理は悪いです

チャンス発見とデータ駆動イノべーションを実現する「データ市場」の創成 -New-

大澤研究室2016

研究内容紹介

データ利活用方法検討とシナリオ生成支援手法の開発 -New-

IMDJ ActionPlanning

Innovators Marketplace on Data Jackets(IMDJ)とは、データ市場におけるデータ利活用を支援するワークショップ型手法です。大澤研究室では世の中に存在する共有可能・不可能を問わず様々な形式のデータをデータジャケット(データの概要情報)化することにより、誰が・どこに・どんなデータを持っているのか知ることができる技術を研究/開発しています。データ市場に関わる様々なステークホルダー(データ保有者、利用者、分析者など)が参加し、データを用いた課題解決の検討を通して、データの価値発見と交換・売買が促進されます。

アクション・プランニングは、IMDJで創出されたデータ利活用案をシナリオとして精緻にするプロセスです。データや分析ツールの組み合わせを考えるだけでは、既存の仕組みを変えるようなアイデアは実現できません。ビジネス化するために必要なリソースや関係者などのステークホルダーの検討が不可欠です。アクション・プランニングでは、論理に基づいたデータ分析シナリオ及び戦略的シナリオの生成手法を研究/開発しています。

大澤研究室で開発したIMDJ及びアクション・プランニングが経済産業省及び国土交通省のプロジェクトで導入されました。報告書の一部は以下からダウンロードできます。

Web上でのデータ利活用検討プラットフォームの構築とデータ利活用検討プロセスの解析

Web版IMDJ

上記のInnovators Marketplace on Data Jackets(IMDJ)は、データ利活用案を検討する点で優れた手法ですが、従来の紙ベースでの議論では対面で行うため議論は比較的盛り上がる一方で、様々なステークホルダーを一か所に集めて議論するのは地理的コストが 大きく、また、IMDJを行う前準備の負担も大きいという問題がありました。 そこで、Web上でいつでもどこでもIMDJを行えるプラットフォームを開発しました。2018年現在は本プラットフォーム上でIMDJを行い、参加者のデータ利活用検討プロセスを従来のIMDJと比較しながら評価しています。 Web版IMDJには上記のリンクよりどなたでもアクセスできます。

データ利活用知識構造化と再利用による検索システム -New-

IMDJ ActionPlanning

あなたはデータを検索する時に、どのよう検索するでしょうか?
世の中にどのようなデータが存在し、どこにあるのか知る方法は意外と多くありません。Web上に存在するデータであれば自然言語による検索が可能かもしれませんが、欲しいデータを的確に検索し入手することは難しいでしょう。
Data Jacket Store(DJストア)はIMDJで過去に検討された要求及びデータ利活用案(ソリューション)をデータ利活用知識として構造化することで、「要求」のような曖昧な検索ワードからでもデータについての情報を検索できるシステムです。
大澤研究室では、DJストアだけでなく、データ利活用による事業化支援のために「ステークホルダー」の検索システムリソース・ファインダーなどを考案し、データ市場促進支援のためのWebアプリケーションを開発しています。

大澤研究室で開発したDJストア、リソース・ファインダーなどのWebアプリケーションには以下のリンクからアクセスできます。

課題の抽象化と構造化による課題解決促進 -New-

課題の抽象化と構造化による課題解決促進

解決したい問題に関するキーワードをインターネットで検索してもなかなか解決策が見つからなくて、少し違うキーワードで検索してみたら解決策が見つかったという経験はありませんか?または、過去に似たような問題にぶつかったはずなのに、なかなか問題が解決できないという経験はありませんか?これらの出来事は、一見違うように見える問題が、本質的には同じ問題であることに気づかないことに起因しているのかもしれません。

本研究では課題の再利用を促進させるために、課題文中の単語間の関係構造に基づいて課題の抽象化を行い、可視化する方法を検討しています。本研究では①課題文の骨格を形成する構造として、課題文中の述語項構造に着目し、課題文の構造的類似度を導出するモデル、②課題文の構造的類似度に基づいて階層的クラスタリングを行い、課題文間で共通する課題の抽出と可視化を行うモデルという2つのモデルを検討しています。

文書クラスタリングに対する新アプローチ -New-

clustering graph

文をクラスタリングする際に、Dirichlet Mixtureなどの生成モデルが使用されますが、それには多くの課題が存在しています。 1つは生成モデルの計算結果は初期値に依存するため、大量のデータがないと精度のクラスタリングができない点です。そして、もう1つは分割するクラスタ数を事前に設定する必要がある点です。これらの問題点を解決するために、文書をネットワーク構造に変換し、PageRankを用いて隠れ変数を擬似的に計算する手法を開発しています。
この手法をレビュー記事のクラスタリングに対して適用し、従来手法よりも安定した精度で文のクラスタリングができることを確認しました。

この研究はデータ利活用方法検討ワークショップIMDJで創出されたデータ利活用案(ソリューション)を実現した研究の一例です。このように、データ利活用を支援する中で、様々な新しいアルゴリズムやシステムが提案され、実現しています。

シナリオ発想のためのゲーム

InnovationGame InnovationGame

※「イノベーションゲーム」は、大澤幸生の登録商標です。
英語名称はInnovators Market Gameです。

新しい技術やサービスのアイデアを考案し、これを市場に出してゆくことは、魅力的で楽しい作業です。しかし、そのアイデアが市場に受け入れられるようにするためには、市場を知り、顧客の欲求を感じて考案したアイデアでなければなりません。既存の技術や商品を改善、結合して新たなアイデアを作り出すためには、人間はアナロジー思考力や組み合わせイノベーション思考力を発揮しなければなりません。

大澤研究室で開発したアナロジーゲーム(Analogy Game)とイノベーションゲーム(Innovators Market Game)は、これらの「考える力」を評価し開発するゲームです。可視化技術と組み合わせて、新しいシナリオ発想ゲームを開発しています。

気づき(洞察)の視線とは -New-

picasso picasso

ある図を見てその意味に気づくとき、人の目は図の部分と部分の 本質的な繋がりを線で結ぶような動きをします。このことは、最近 大澤研究室で見つかった人の認知における現象です。簡単なことですが、この現象がポスターを見て広告の意味を感じてくれる消費者、 マーケットの構造を示した図を見て新しい市場戦略を発想する人の目の動きなのだ、と言えば、その実用的な意味が分かるでしょう。 人に自分の言葉や視線の動きを自覚してもらい、創造的な行動計画を立てる支援をする技術を研究/開発しています。

デザインとマーケティング

GDA-designers GDA-designers

ひとつの企業の製品同士というのは、該当業種の市場全体の中からすれば近いコンセプトで作られていることがわかります。しかし、そのコンセプトは広告からは直接見えないこともわかります。企業内のデザイナー・開発者たちが共有する、外から見えにくい空気のような意識を組織が共有すると…… 大澤研究室の最新の成果は「作って売る」です。Read more...

関西大学・矢田勝俊助教授とのペアで、IEEE SMCソサエティにおいて Information Systems for Design and Marketing部会を設立しました。

データ可視化: 創造的システムデザインのために

KeyGraph KeyGraph

企業の持つ顧客データ、会話データ、さらには地震データなどを解析し二次元画面に可視化する技術を開発し、積極的に現場への導入を支援しています。根拠のあるひらめきに基づいた意思決定を実現するための情報技術を研究・開発します。

災害予兆発見

Kanto Kanto

日本列島には、多くの地震が発生しています。そのうち多くは「地震の巣」といわれる断層やトラフのある地域で発生しますが、複数の地震の巣に挟まれて少しずつゆれ始めている地域はそのうち巨大地震を起こす可能性があります。チャンス発見手法は、テレビに表示される地震速報のようなデータから、このような危険断層のめぼしをつける結果を生んでいます。同様の解析手法が肝臓病変予兆・治療のチャンスを見出す効果もあることが見出され、汎用性を示しています。

データ結晶化:隠れダイナミクスの発見と利用

消費者たちの新しい行動様式が、ある隠れリーダーの影響を受けているとしたら、そのリーダーを見つけ、次の流行の予兆を見出すことは有益です。様々な事件の犯人たちが、実は誰かの指令で動いているなら、指令者を捕らえなくてはなりません。しかし、指令者はいくら犯人を捕らえても網にかかりませんし、消費者の行動を見ても隠れリーダーは一緒に買い物をしているわけではありません。データに載っていない、しかし重要なリーダーを、そのデータから見出す!大澤研究室で開発したデータ結晶化手法はこれを可能にしました。その同じ手法が、実は製品開発やサービスの戦略を生み出すためにも利用できるのです。

販売・デザイン戦略会議

textile textile

経営会議や議会は、会社や社会について提言される様々な未来シナリオの中から、本当のチャンスを模索し役に立つシナリオを編み出す作業だと言えます。そのような効果を引き出すコミュニケーションの場をデザインし、ビジネス戦略策定、製品デザインを応用対象として収益を生んできました。

人材発掘支援

IDM IDM

企業のセクションでは、普段はあまり話をしないのに発言の影響力の強い人がいます。そうやってそういう人を見出し、有効に起用する方法があります。ヒューマンネットワークを可視化するキーグラフ、IDMなど我々や共同研究者の自製可視化ツールを併用してチャンス発見プロセスを走らせるのです。この手法も、実際に企業のパフォーマンスを向上させる効果も確認してきました。

ひらめきとは?

Experiment Experiment

稲妻のようなものだと思われかちな人間の「ひらめき」は、観察することができるでしょうか?人がアート商品を選んだり、簡単なモノづくりを行う中で「ひらめき」がどのように起き、その人の意思決定をどう左右して行くかについて、会話内容や眼球運動データを元に研究しています。

都市活性化

都市は、モノと人と金と・・・様々な要素がひしめく複合体です。しかし、活動の原動力を失うと、東京のような大都市でさえ、一部にはその真価を発揮できず経済的な困難に直面している区域はあります。どのようなアプローチで都市を活性化させることができるでしょう? システムデザイン学からのアプローチは、「システムは無理に作り込まず、生きるに任せて機能を創発させる」というものです。例えば「近頃の若い者は・・・凄い!」これが都市システム活性化のヒントです。ヒントを発見し、掘り下げて社会を、企業組織をデザインしていきます。

医療コミュニケーション

お医者さんに聞きたくても聞けず、悶々とした思いを抱えたことがある人は多いはずです。 聞けなかった理由は色々あるはずですが、病気を治すためには患者は自分の病気を良く知り、色々な話題について医療者とコミュニケーションする必要があります。 大澤研究室では患者さんが語る言葉から、患者さんが抱えている悩みを抽出する手法や、患者さんと医療者の間に信頼関係を構築するためのコミュニケーション手法に関する研究を行っています。 更に、網膜色素変性など、現時点では不治の病とされている難病を、できるだけ早期に診断するための新しい質問項目についても検討しています。

評価・批判による創造活動の価値向上

従来、創造活動においては他人のアイデアを評価し、改善に役立てることが大切です。 他人のアイデアを褒めて伸ばすことに拘るのでも、批判に拘るのでもなく、良い面を育てながら、それと整合するように問題点を解決してゆくことが大切です。では、賞賛やあいづち、批判を上手に効果的に行うにはどのようにすればよいでしょうか? 大澤研究室では、創造活動を支援するための新しい会話方法を探求し、イノベーションゲーム(R)などでルール化する研究を行っています。賞賛・報酬や批判や質問の出し方、タイミングなど、会話のデザインに関する研究を行い、イノベーションを引き起こす環境の構築を目指します。