博士の飛翔:チャンス発見ラボ経由・新天地へ

日時:2012年3月17日(土) 14:00〜18:00

場所:東京大学・本郷キャンパス工学部1号館15号講義室(講堂)


参加希望者は3月16日までに大澤研究室秘書(info@panda.sys.t.u-tokyo.ac.jp)にご連絡下さい。
大澤研究室: The チャンス発見ラボ

開催の趣旨:チャンス発見学にまつわる研究を深め、博士取得、あるいは研究者として歩を進めた精鋭が今、各界で業績を伸ばし、それぞれに新たな一歩を踏み出そうとしている。この研究者たちが今、何を社会に、研究者に、そして後輩たちに伝えようとするのか。

イントロ(14:00 - 14:15):
大澤幸生(東京大学教授) 「チャンス発見学の今」講演スライド

セッションI(14:15 - 15:15):基礎を掘り返す

講演1)Curation: 何を見せて何を見せないか
阿部明典(NTT CS研究所: 4月より国立大学法人教授就任予定)

要旨:キュレーションは美術館や博物館において、その展示、運営などで非常に重要な役割をはたしている。特に、最近では、普通の``教育的''展覧とは違ったキュレーションを行うことも出てきている。本講演では、更に進めて、チャンス発見の立場からのキュレーションの可能性、方向性について述べる。講演スライド

講演2)コミュニケーションにおいて人に新たな発見を促す方法に関する研究
西原陽子 (東京大学講師:4月から立命館大学准教授就任予定)

本発表では、他者とのコミュニケーション、情報とのインタラクションの中で、人に新たな発見を促す方法について紹介する。新しくてかつ意味のあるものを造る活動においては、一つの情報を複数の視点から見つめて吟味する必要があるが、ただ1人で見つめていると、自分にとって都合の良い視点だけを採用してしまう恐れがある。視点の少なさ、狭さを解消するためには、多人数でコミュニケーションをとりながら、色々な視点を提供し合うことが一つの解決法として挙げられるが、それでもなお、都合の悪い部分については見て見ぬ振りをしてしまう恐れは残る。発表者は、都合の悪い部分にこそ価値があると考え、この部分を掘り出して人に新たな発見を促す方法について研究をしてきた。当日の発表ではイノベーションゲーム(R)やアナロジーゲームの中で使った方法について紹介をする。 講演スライド

〜 休憩 〜

セッションII(15:30 - 17:30): タフな実業界を育てる博士たち

講演4)気づき能力の強化に必要なシステムシンキング - タコツボ経営の脱却に向けて
中村潤 (ボルボ グループ、アジア戦略室、UDトラックス株式会社 企画室、金沢工業大学客員教授)

要旨:個職化や専門化がその一端であろうか、組織間・企業間・業界間の壁が相変わらず立ちはだかっている。その狭間に先手を打つメリットが目の前にあるにもかかわらずに、である。ここでは、気づき能力が不可欠なシステムシンキングを刺激する2つのゲームを通じて、4つの”つなぐ技能”を育む試みを紹介する(続編の講演も計画中です)。講演スライド

講演5)コトからモノへのロジカルシンキング
久代紀之(元・三菱電機株式会社住環境研究開発センター・部長、3月に九州工業大学教授に就任)

ユーザのやりたいコトから、ユーザの欲しいモノへの変換は複雑である。そもそもユーザは、欲しいモノが実際には、よくはわかってはいないだろうし、設計者は、ユーザが欲しいコトを聞いてもなんだかよく理解できない、しかもコトを実現するモノは、種々の代替案があるからだ。本講演では、コトからモノへの変換過程において、その前提・制約に着目して、コトからモノへ収斂させていく試みに関して紹介する。

講演スライド
講演6)連鎖的な経済・金融事象を読む
郷田慎一(三菱東京UFJ銀行(現在製造業企業へ出向中))

連鎖倒産や株価変動など、経済・金融分野では連鎖的な事象が多数ある。最近の自然災害にともなう生産活動の停止、ユーロ危機の波及等も連鎖的な事象である。本講演では、連鎖的経済・金融事象の先行きを読み、対応を検討する活動を支援する手法として開発した「時間順序技法」と「連鎖キーグラフ」につき報告する。講演スライド


講演6)ゆらぎから社会・経済の破壊を読む
前野義晴(日本電気株式会社主任研究員、ソーシャル・デザイン・グループ代表)

要旨:ネットワーク揺らぎが引き起こす社会・経済システムの破壊のリスクを読み解く ための一般理論の可能性について論ずる。講演スライド


18:00- 懇親会: 沙羅沙(本郷2丁目:ポン三から徒歩2分くらいのレトロな店
03-3815-0028で、Webに載ってる番号は間違いみたいです)